Yuanconという中国の音ゲーコントローラ製作者からDX5thというbeatmania IIDX(通称 弐寺)用コントローラを購入しました。
ぼくは今年の春くらいにYuanconの存在を知ったのですが、調べてみると2013年から音ゲーのコントローラを製造販売していたそうで、beatmania IIDX以外にもSound Voltexや太鼓の達人の取り扱いがあり、現在はチュウニズムやノスタルジア用のコントローラを開発しているようです。
Yuancon公式
・Yuancon Store
・Twitter1 @yuancontop (公式情報や入荷情報など)
・Twitter2 @kunyuan0312 (試作動画など)
・Discord YuanCon – Controller Maker
ストアは英語ですが、Twiterでのサポートは日本語・英語・中国語も対応しておりリプライやDMで連絡できます。ぼくはDiscord(英語のみ)に参加していますが、質問や相談、フィードバック、入荷予告などさまざまなチャンネルがあり、要望にもわりかし応えてくれます。ユーザーと距離が近いのがいいですね。
Yuancon / DX5thについて
・仕様
サイズ/重量:310x600xH60mm(スクラッチと脚の突起除く) / 7.5kg
インターフェイス:7鍵盤+オプションキーx4+スクラッチ(スクラッチはACと同じ220φサイズ)
ボタン:中華ボタン (Aliexpressで売ってるやつ)
スイッチ/バネ:Omron D2MV-01-1C2(0.25N) / 謎のバネ(60gらしい)
スクラッチのセンサ:ロータリーエンコーダ(型番は不明)
・価格
本体 $233+送料 $78+関税 3,160円で総額 40,000円程度でした。(1ドル116円計算)
・輸送
10/6 :公式ストアにて購入
10/7 :発送
10/8 :PayPalより追跡番号連絡
10/14:日本の通関許可
10/15:不在のため持ち戻り
10/16:到着
発送業者は中国内ではS.F. Express(順豊エクスプレス)で国内配送は西濃運輸でした。在庫があるときのYuanconは超スピードで着くという話をみたことがありましたが、まさか10日以内に到着するとは思いませんでした。
・評価
◯正面や上から見た質感はいい
◯非常に薄い (脚とスクラッチの突起除き高さは60mm)
◯重量があるため連皿をぶん回してもコントローラがずれない
◯スクラッチの感度がよく、四分押し押しでも問題なく動作する
◯中身はアクセス性が高く、シルクプリントもありユーザビリティが高い
◎基板にねこがいます
×土台部分は鋼材に塗装してあるので傷がつきやすく、かつ非常に目立つ
×全体的に見ると筐体の精度はいまいち。特に裏蓋はよくない
×コンパネのアクリルは純度が低いのか、角度を変えると濁って汚れているように見える
×現段階ではBMSのみの対応でInfinitasには非対応(後日ファームウェアアップデートで対応)
XXガワが破損してるのに黒マジックで色を塗ってしれっと発送してきた(流石にクレーム入れた)
その他
・Start押しながらPC接続でキーボードモード。Select押しながらでゲームパッドとして使用可能
・DJ DAO / Phoenix Wanのようなスクラッチ感度の調整機能はない。重さ調整は間にフェルトを挟めばよさそう
・スクラッチ固定用のネジ穴にザグリがないのでネジ頭が飛び出しレーベルステッカが貼れない(要望提出済み
・LEDペッカペカ。まぶしい。現段階ではRGB制御は不可(これも後日対応予定とのこと)
・レベルメーターのようなものがあるが、打鍵量と比例してメーターが増えるので☆12とかプレイしると常時ピーク叩いててこれ意味あるのかという疑問が
所感
beatmania IIDX AC準拠サイズのコントローラで見た目はそれなりに高級感があります。
ボタンに関してはゲームパッドモード+JoyToKeyを利用して1時間ほどInfinitasをプレイしてみましたがボタン割当てさえすれば問題はありませんでした。自作コンで同じ中華ボタンを利用していたせいもあるかもしれませんが、少なくとも芝ボタンよりは快適です。
スクラッチについてはゲームパッドモード+JoyToKeyのキー割当てとArduino乗っ取りの2パターンでテストしました。JoyToKeyだとデジタル処理となり少し動かしただけでもしばらく判定を維持するため選曲ができないといった問題がありますが、Arduino乗っ取りであれば触った分だけ動きますし加速度の対応もできるので、ファームウェア次第ではかなりよくなるのではないかと思います。ロータリーエンコーダ式のスクラッチははじめてでしたが品質も高く問題もなかったです。感度がよく四分の押し押しも抜けませんでした。人によっては回すと音がするという話もありましたがぼくの個体ではそういうことはありませんでした。
注意点として、現行ではBMS専用という形で販売されています(後日ファームウェアアップデートでInfinitasに対応予定)。一応キーボードモードやゲームパッドモード+JoyToKeyでキー割当をすればInfinitasでも動作しますが、快適にInfinitasをプレイするのであればArduino乗っ取りかファームウェアの更新まちになるかと思います。
211201追記。YuanconからInfinitasモードで動作するβファームウェアが配信されました。Discordにて配布されています。パッチ適応後、VEFXを押しながらPC接続でInfinitasモードとして動作します。なおLEDライト制御については後日対応とのことです。
まとめ
現状でも割り切ってプレイするうえではさほど問題もありませんが、今後はソフトウェアの出来次第で評価が変わってきそうな印象です。とくに買ってすぐInfinitasで遊べるというわけではないのでそのあたりを含めて人を選びそうです。ぼくみたいにいろいろ弄って遊びたいという人にはオススメです。
DX5thの価格は送料込みで40,000円程度ですので人気のPhoenix Wanとほぼ同じです。機能のPhoenix Wan、見た目のDX5thといったところでしょうか(正直DX5thはもう少し細部にこだわってほしいですが…)。見た目全振りでYuanconにしましたが、操作性や機能性が想像以上によかったので満足しています。Phoenix Wanは製造終了となり後継機が年内発売予定らしいのですが、そちらの値段次第ではDX5thも候補になるのではないでしょうか。
ちなみにDX5thの基板にはロータリーエンコーダ用の端子が2つついていました(X軸Y軸)。おそらくSound Voltex用コントローラと兼用なのでしょう。ガワはArduinoで乗っ取ってIIDXコンに。余った基板でSDVXコンを作るーってのも面白いのではないかなといったところです。
FWとはソフトか何かですか?
そうです。ファームウェア(デバイス制御のソフトウェア)のことです。
全編通してFWと略して書いてましたので修正しました。