マウスコンピューターのm-Stick MS-NH1を購入しました。当製品は12月5日の発売でしたのでちょっと今更感がありますが、2日ほど使ってみた感想を書いてみます。
・概要
スティック型PC 「m-Stickシリーズ MS-NH1」|BTOパソコンのマウスコンピューター
USBメモリ大サイズのスティック型PCで、100*38*9.8mm(HDMI端子部分除く)という小型な筐体にPCがまるごと入っています。本体からHDMI端子がにょきっと生えてきており、HDMI入力のあるモニタに挿してやるとそのままPCとして使用できるという面白い作りになっています。
・仕様
「MS-NH1」 仕様詳細|マウスコンピューター BTOパソコンの通販ショップ
上記URLを見ていただくとわかると思いますが、仕様的には現行のWindowsタブレットから液晶画面とバッテリをなくして、かわりにHDMI出力端子をつけたという感じでしょうか。ブラウジングや文書作成、非HDの動画再生くらいなら難なくこなせそうなスペックです。ただそれ以上のことを求めると、マシンパワー不足に泣かされそうです。
・出力
一般的にはTVやモニタのHDMI端子にそのまま挿すのが無難でしょうか。HDMI入力のプロジェクタでも動作するという触れ込みですので、HDMI端子があるものでしたらほとんどのもので動作するのではないでしょうか。ちなみにHDMI端子のないモニタでもHDMI to DVI変換アダプタで問題なく動作しました(その場合、音声出力はUSB DACやUSBアンプなどが別途必要になります)。
ネタとしてはHDMIキャプチャにそのまま挿したり、ダウンスキャンコンバータ→USBキャプチャ→キャプチャアプリで擬似PinPみたいなこともできるかと思われます。
・電源
ACアダプタとそれを接続するMicroUSBケーブルが同梱されていますが、2A出力のモバイルバッテリで動作することを確認しました。1A出力のものでは数秒で電源が落ち、次回起動時に「起動に失敗しました」とエラーがでます。m-Stickに致命的なダメージを与える可能性もありますのでご注意下さい。また、モニタのUSBダウンストリートポートからの給電で起動できたという話もあります。
なおACアダプタ以外での使用は動作保証外になりますので、自己責任でお願いします。
・使用感
PCとしての動作は、体感としてWindowsタブレットとほぼ変わらないか、若干動作が遅いかなという感じですが、長時間のHD動画再生などで負荷をかけてやると、CPUがクロックを下げて動作するように設定されているようです。
先にもあげましたが、文書作成やブラウジングなどはストレスなく利用出来るかと思いますが、ブラウザでもタブを複数個同時に開いたり、HD動画のストリーミングを再生するなどすると、多少動作がモタついたりする感じはあります。
なおゲームはほとんどできないと思ってください。比較的動作が軽いドラクエ10のベンチマークでも、最低解像度で「重い」と診断されます。
・雑感
フルサイズのUSBが1基があるので、ハブをかましてマウスやキーボードを繋ぐのもいいですが、せっかくの超小型PCですのでBluetoothのマウス・キーボードを接続するのがスマートではないでしょうか。ただ初回起動時はUSB接続のマウスまたはキーボードが必須になりますのでご注意ください。
ファンレスのため、静音性は非常に優れている(というか無音)のですが、排熱がネックとなり、アイドル状態でも長時間駆動させていると本体はそこそこ発熱します。持てないというほどではありませんが、温かいと体感できるくらいにはなります。負荷をかけ続けると本体が55℃近くになるという報告もあり、夏場の使用は若干不安があります。
内蔵ストレージが32GB(OS部分を除くと約25GBの空き容量)+MicroSDXCとなるので、外出先で使う場合はOneDrive・GoogleDrive・Dropboxといったオンラインストレージとの連携は必要になるでしょう。
・総括
このサイズで普通に使えるPCを出してきたということは素直に評価したいと思います。ただ負荷がかかると発熱と処理が厳しくなるので、メインマシンから置き換えるといったことは無理でしょう。エンドユーザとしての使い道は、ある程度PCに詳しい人がサブマシンとして持つぐらいの製品かなと思います。
あとはプレゼン時にプロジェクタへ挿してやるとか、ディスプレイ装飾(電飾看板のかわりなど)にも使えそうですね。
僕としてはサブマシンというよりもっと別のことに使おうと考えていたので、これはこれで十分なものであるなとは思います。「別のこと」については、次のエントリにでも書ければいいなと思います。