Yuancon / miniDX を購入しました。

投稿者: | 2023年9月26日

はじめに (本筋と全く関係のない話)

Geeekという台湾のメーカーがよさげなmini-ITX用PCケースを発表したのですが、発売日の記載もなくTwitterと公式HPで質問するも明言されず。もしかして中国の通販サイトですでに売っているのではと検索してみるとalipexpressとtaobaoで発見。aliよりtaobaoのほうがかなり安く、お店もGEEEKの旗艦店だということでtaobaoから購入しようと決意しました。

これまでtaobaoは輸入代行でしか利用していなかったのですが、今回は代行を使わず自分で購入してみようとググってみたところ、taobaooには混載(複数の荷物をまとめること)することで送料を抑えてくれるシステムがあるそうです。せっかくだし他になにか一緒に買うかーと考えたところ、一番最初に思いついたのがminiDXです。なのでminiDXを買いました。(真顔

しかしぼくの手配ミスでGeeekのPCケースは海上輸送、miniDXは航空輸送になってしまい、結果的に運賃が別々に発生。ついでであったminiDXが先に到着してしまうという始末…。

ということでYuancon / miniDXのレビューです。

Yuanconとは

Yuancon Store
Twitter1 @yuancontop (公式情報など)
Twitter2 @kunyuan0312 (試作画像・動画など)
Discord YuanCon – Controller Maker (試作画像・動画、入荷情報、ドライバ配布など)

Yuanconは中国のガレージメーカーで、beatmania IIDX(以下弐寺)やSDVX、ポップンミュージックといったKONAMIの音ゲーだけでなく、GROOVE COASTERや太鼓の達人、maimaiなど多岐にわたる音ゲー用コントローラを製造販売しており、近年になって知名度が上がってきました。ぼくも2021年にDX5thという弐寺用コントローラを購入したことがあります。

DX5thはDJ DAO / PhoenixWanの対抗で、ACと同じサイズのスクラッチ(以下 皿)を搭載し見た目も格好よかったのですが、残念ながら細部の作り込みが甘く、万人にオススメとはいえない商品でした。

miniDXについて

miniDXは2021年10月ごろに発売されたようです。当初は中国国内のみの販売でした。何度か?リビジョン変更がされたのち、2023年2月から海外発送にも対応している公式HPで取り扱いがなされはじめ、日本国内や海外で一定の評価を得ています。

ぼくのYuanconに対する印象は「面白いものを作るけど品質はそれなり」といったところでした。ではなぜminiDXを購入したかというと、筐体サイズが127x377xH87mmと超小型で唯一無二だからです。フットプリントはテンキーレスキーボードより小さいぐらいです。よくこんなものを作ったなと。デザインの勝利といったところ。皿が直径124mmと小さかったり(ACやDX5thは220mm)、オプションボタンが鍵盤と皿の間に配置されてたりとかなり挑戦的な形状です。

仕様

  • 鍵盤:中華ボタン (いわゆるDAOボタン)
  • バネ:公式いわく60g
  • スイッチ:D2MV-01-1C3 (0.49N)
  • 皿機構:ロータリーエンコーダ
  • 皿サイズ:直径124mm
  • 本体サイズ:127x377xH87mm
  • 重量:2.2kg
  • 価格:$139.00+送料$28.00

購入費用

taobaoでの購入費用は

  • 本体価格:849元
  • 送料 (倉庫→空港):23元
  • 送料 (空港→自宅):108元

総額980元≒2万円(1元20.3円)でした。ちなみにYuanconの公式ショップで購入すると本体$139+送料$28=$167≒24,800円(1ドル148円)となりますので5,000円ほど安くつきました。

しかしtaobaoは全部中国語のみで、一部のクレカが通らなかったり、(混載だと)自分で発送手続きをする必要があったりと手間がかかります。そう考えると公式サイトで購入するのもアリだと思います。

・Yuancon Store (公式):https://yuancon.store/controller/minidx
・YUAN Controller Zone (taobao):https://shop107063263.world.taobao.com/

見た目と中身

外見
サイズ感はさすがといったところ。改造済み専コンと比較すると小ささがよくわかると思います。

筐体の材質はアルミでしょうか。金属製で剛性があり重さも感じられます。DX5thのときにあったような塗装ハゲやチープな底板などビルドクオリティの問題はありませんでした。質感もよく見た目もスタイリッシュに感じます。しかし最初から一部のネジが緩んでいたり汚れやゴミが付着していたりと品質管理はイマイチです。

内部
小型なだけあって配線がシビアです。鍵盤部をバラして2P側へサイドチェンジしたのですが、鍵盤ボタンのケーブルが短く基板が破損しそうなほどテンションがかかってしまいます。試行錯誤しながらなんとか配線しましたがこれは頂けないですね。1P↔2Pのサイドチェンジもケーブル長のせいで天面・底面・基板のコネクタまで外さないとできません。この点は非常に残念です。

基板はDX5thと同じようです。シルク印刷もされており視認性が高いです。ねこもいます(かわいい)。

ハードウェア
鍵盤・バネ・スイッチは中華ボタン(DAOボタン)・謎の60gバネ・0.49Nスイッチ(D2MV-01-1C3)と価格性能比がいい組み合わせだと思います。自分は軽めが好きなので40gバネに換装しました。

皿用のロータリーエンコーダは1個1,000円ぐらいするものがついてました(おそらくDX5thと同じ)。DX5thのときもそうでしたが調子よく回ります。細かいところですが皿固定のネジがナベネジで頭が出ているのが気になります(DX5th購入後にザグリ+皿ネジにしてほしいと要望を出していた)。

その他
E1ボタンを押下しながらPCに接続することでキーボードモードに。E2はLR2やbeatoraja用、E3はInfinitasモード(プレコン偽装)に設定を切り替えることができます。BMSでも問題なく利用できます。

操作性

鍵盤
デフォルトで軽く打鍵してみましたが金属筐体のせいか反響音がすごい。静音化(バネにシリコンスプレーを吹き鍵盤部分に厚紙を入れる)でかなり改善しました。内部の高さがギリギリなせいか打鍵時に底打ちする感じが少しあります。配線をうまいこと収納してやる必要があります。


DX5thと同じく軽い力でよく反応しますが減衰もそれなりにあります。体感ですが感度はフェニワンの新基板よりも高いです。センサーはDX5thと同じくロータリーエンコーダ(インクリメンタル方式)で100PPRのものでした。基板側で4逓倍にしているのだと思われます。

皿の直径が124mmと小さいため鍵盤-皿の直線距離が短く(鍵盤-皿の水平距離は92mmでACやDX5th、PhoenixWanと同じ)、手首や小指では回しやすいですが小指BSSは慣れが必要です。初期設定で4分押しや押し押しBSSも入るので個人的にはかなり好みです。皿曲(Watch Out Pt.2 SPA)をやってみたところいきなり自己ベストがでて困惑しました。

注意点として鍵盤と比較した皿の高さ位置がACと比べて5mmほど低い(鍵盤に近い)ようですが、プレイしていて違和感はありませんでした。気になる人は気になるかも。

オプションボタン
小型化の弊害が如実に現れています。誤反応防止のためだと思われますが、ボタンの接点が奥の方でかつ重めなため、短押しや連打で反応させるのが困難です。皿チョンやシャッター外しもそうですが、選曲画面のオプション設定もやりづらく慣れが必要です。正直ソフラン曲はやりたくないですね。

その他
剛性と重量があるため激しく打鍵+皿を回してもズレるといったことはありません。付属のゴム足が優秀なのでしょうか。自作コンは木製で軽いため、皿絡みが多い曲を続けてプレイするとコントローラがズレていってストレスだったのでこれは助かります。

アップデートとLEDについて

231204 追記

miniDXはDX5th(5.5th)の基板を流用して製造されています。つまりDX5thのファームウェアを適用できますし、自分でLEDを用意して取り付ければ光らせたり調光することも可能です(配線の問題はありますが)。LEDの設定にはE4ボタンが必要ですが、miniDXには実装されていないのでコネクタを差し替えるか適当なボタンをつけてやる必要があります。

DX5thのFWは4種類存在しています。

  • Ver. 1.1:LED調整不可、Infinitas対応(DX5th発売当初はBMS専用だった)
  • Ver. 1.5:LED調整可
  • Ver. 2.5:LED調整可、E4ボタン反応せず(設定用)、マウスモードのみ皿感度調整可
  • Ver. 2.1Final:E4ボタンが反応する(短押しで動作)、全モードで皿感度調整可

1.1~2.5 https://rhythm-cons.wiki/w/YuanCon_Firmware#Dx5th
2.1Final https://twitter.com/yuancontop/status/1671462348954140672

書き換えはアップデータを起動してからコントローラを接続する必要があります。たまに失敗しますがその際はUSBポートを変えてやりましょう。FWは古いものへの書き戻しも可能です。

LEDはアドレサブルRGBが対応しており、3ピンのXHコネクタを接続することで動作します。RGB1が鍵盤部分でRGB2が皿部分だったと思います。ピンアサインはコネクタの突起を上にしてコネクタを挿す方向に見て左から5V/Data/GNDです。この説明でわからない場合は止めておいたほうがいいと思います。あくまでも自己責任でお願いします。取り付け方法の質問にはお答えしません。

LEDの発色調整や皿感度の設定はDX5thの公式動画を参照にしてください。

最後に

現在2万円前後で買える弐寺コンは公式のエントリーモデル(18,800円)しかありません。エンコンは専コン(PS2の弐寺専用コントローラ)と大差ない作りだそうで、ボタンがハマったり、鍵盤-皿距離が近かったりとあまり評判がよくないようです(静音性は高いらしいので一定の需要はある)。コントローラを自作しても1.5万円ほどはかかることを考えるとminiDXはコストパフォーマンスが高いと思います。

ビルドクオリティも高く、唯一無二のサイズ感で所有欲も満たせます。ただし品質管理はイマイチのため静音化もふくめて全バラ推奨です。メンテの知識や経験があることが前提条件になると思います。弐寺コンを持っている/持っていた人がサブなり遊びとして買うのはオススメです。もし初めて弐寺コンを買うとかメインで使うつもりであれば操作性の割り切りが必要です。

またフルスペックの基板が搭載されているため改造や転用が容易です。miniDXの筐体はArduino接続にして、基板流用で自作コンを作るといったことも可能です。DIYや自分でいじって遊びたい人にはかなりおすすめです。そういった意味でも玩具としては非常に優秀だと思います。

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